私の研究分野は社会心理学です。
「3人寄れば文殊の知恵」というたとえがあります。 このように、個体のレベルではみられない優れた知性が、群れや集団のレベルで新たに創発する集合現象は 「集合知」と呼ばれます。 人間社会において集合知がどのような条件のもとで、いかなるメカニズムによって成立しうるのかという問題は、 社会科学における古典的かつ重要なテーマの1つです。
21世紀の社会は高度情報化に伴う大転換点にあり、人々の間を行き交う情報の流れは大きく形を変えつつあります。 情報通信技術・サービスの発展によって集合知への期待が高まる一方で、SNSの炎上や社会の分断といった新たな問題もあらわになっています。 このような状況のなか、集合知をめぐる問題に対しては「社会秩序の成員としてのヒト」「生物としてのヒト」「情報をつなぐ結節点としてのヒト」など、 多角的な視点に基づいた一般理論の構築が社会的に要請されています。
私は従来の社会心理学の知見を軸に、認知科学・生理学・情報科学(ネットワーク科学)を含む多角的な視点から、 現代の人間社会における集合知の成立条件とその基盤メカニズムに関する実験・実証的研究を試みています。
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